お墓の引っ越しを行うときは、改葬許可申請書にお墓の管理者(お寺)の承諾書が必要なります。
しかし、急にお寺の管理から抜けたいと申し出ると、「それは困る」と、高額な離檀料を請求されるトラブルも相次いでるようです。

そこで、トラブル防止のために、法事の際にお布施などを包んで、事前に相談しておくことが重要です。

 

 

お布施の金額は

お布施はその法事の規模に合わせるわけで、普通には寺院での法事の場合三万円から十万円程度と考えてよいでしょう。これは宗派によっては、はっきり寺院の側でいくらと明示しているところがありますが、宗派によってはおたずねしても、まったくお心次第で結構です、というとろこもあります。建前の上でこの立場が正しいのですが、こうしたときは、上述した金額を参考にした抱ければよいでしょう。もちろん、経済状態に応じて多くしても少なくしても一向にかまいません。

お布施の実際額

お布施というものは、その人の立場、経済状態から見て、心にかなう程度でよいことはわかってもさて、実際にとなるとやはり迷いが出ます。現実に生活している私たちにしてみれば、ある程度の金額を示してもらった方がよいということになるわけです。

僧侶に対するお布施は、法施に対してその対価としての財施というものではありません。が、僧侶もまた現実の社会生活の中に生活しているわけですので、人々の報酬・賃金というものを目安として参考にするのがよいでしょう。一日当たりの金額を一万円とみて、これに二乃至さん倍する金額を見るという方法がそれです。

お布施の出し方

お布施には市販の金封もありますが、半紙を折って紙幣を包むようにします。
正式には包み紙を中にしてさらに上包みをします。
包み紙の上書きには「お布施」と書いてください。「御礼」とか「御経料」、「薄謝」などとは書かないでください。
上書きは筆書きとするのが正式ですが、用意がないときでしたら、筆ペンまたはフェルトペンを用いるのをやむを得ないでしょう。

水引については特別の決まりというわけではないのですが、開眼法要・閉眼法要、お魂入れなどは慶事となりますので、紅白となります。

お布施を渡すタイミング

さてお布施ですが、その場で手渡すのではなく、寺院に出向いて差し上げるのが正式です。ただし、自宅などで法事を営み、あるいはお盆に読経をいただいたときなど、僧侶が帰られるときに手渡すのが一般的です。現代の多忙な社会生活ではやむを得ないことですが、これは略式であることを覚えておいてください。
このお布施は、地味な色の袱紗の上に載せたりお盆にのせて差し出すことで、手渡しすることはいけません。お帰りにお渡しするときには「本来ですと、お礼に参上いたすべきなのですが、まことに失礼いたします。」といった挨拶をお忘れなく。

お布施の意味

布施というのは、古代インドの言葉である梵語のだーなを音訳したもので、旦那寺とか檀家ということばもここから出たとされます。ダーナというのは、”あまねくほどこす”、つまり、仏教の理想世界実現の一つの手段として他に与えるという意味で、これが布施なのです。

 

布施の分類法「法施」、「財施」、「無畏施」

布施にはいろいろな分類法がありますが「法施」、「財施」、「無畏施」の三つに分けることができます。

・法施は、人が生きていくための正しい仏法の真理を伝え、無形の精神的な施しを行うことでこれは僧侶のつとめでもあります。

・財施は、お金や財物などをほどこすことで、仏教の教えをいただいたことへの感謝をあらわし、信者の寺院への施しをいいます。

・無畏施とは、施無畏ともいいます。不安や畏れを抱いている人に対して安心のほどこしをすることをいいます。これは仏の慈悲の心のあらわれでもあり、誰もができる親切のことです。もう一つの意味をおそれることなく仏道に励むという意味があります。

私たちは日常、人々に笑顔で接し、重い荷を持つ年寄りには手を貸し、電車の中では席を譲るといった「無畏施」を行っているわけですが、法事によって「法施」をうけ、これに対して「財施」で答えるという関係に建ちます。これが法事の功徳でもあるわけです。

これがお布施の意味するものですので、お布施(財施)には、金額の上でいくらでなければならない、というキマリはないのです、事実、寺院に相談すると「お志で結構です」ということばが返ってきます。

上限という点で言えば、その人の経済状態から見て、いくら包んでも多すぎるというものではありませんし、反対に、少額の金子としても、その人におってせいいっぱいの菌がk杖あればそれはそれで十分ということになるのです。